相続などで山林を取得したオーナーが自分の所有する山林の場所や詳細をよく知らないというケースがあります。
「山林を持っていても、林業不況で大して値打ちがないから…」と興味もなく放置しているという場合もあるようです。
しかし、本当に自分の山林に価値があるのかないのかは調べてみないとわかりません。
山林の価値を調べる方法
山林の価値は、立木の状態で違ってきます。
今後山林を売るにしても、また活用できるのか検討するためには、まず詳細を知り現況を把握することが必要です。
山林の場所や面積、現況を知るにはどうすればいいのでしょう?
まずは、次のような法的な書類で確認することができます。
登記簿
法務局で閲覧したり、謄本を得ることができます。
不動産物件としての所在、地番、地目、面積、所有者の住所・氏名、抵当権が設定されている場合は抵当権者の住所・氏名が記載されています。
主に物件の権利関係がわかる資料ですが、登記簿上の面積が実際とは違うケースもあります。
森林簿
山林の住所録ともいえ、地番、所有者、面積、樹種、林齢などが記載されています。
森林計画図
山林の住宅地図にあたるものです。航空写真などを元に、山林を樹種や所有形態などで区分けしてある図面です。
測量や現況調査を元に作ったものではないので正確さには欠けますが、山林を把握し管理する上で必要な図面です。
閲覧や写しの請求を希望する場合は山林がある地域の役所に問い合わせましょう。
また、森林簿・森林計画図ともに山林の現況や所有区分について実測や現地確認をしたものではありません。
したがって、正確に山林の状態を把握するためには、こうした書類で基本的な情報を集めたあと、実際に現地に行き確認する必要があります。
その場合、林業関係者など山林に詳しい人に同行してもらうのがベターです。
立木や搬出について
山林の価値を評価するにあたっては、立木の状態や搬出のしやすさなど次の点が考慮されます。
立木について
- 樹種(スギ、ヒノキ、雑木など)
- 木の太さ、長さ、通直(曲がり具合)
- 木の病気の有無
- 林齢(樹齢):木材として本格利用できるのが50年前後といわれてます。
搬出について
- 一般道と林道の距離
- 搬出時に他者の土地を経由するかどうか
- 斜面の傾斜
スギやヒノキなど商品価値の高い木が植林されていても、適切に間伐されているかどうかで、山林の状態と価値は大きく変わるということです。