かつて原野商法という詐欺商法がありました。
開発の見込みがない原野や山林を、さも近いうちに開発があるように見せかけて相場よりはるかに高い値段で売りつけるものです。
ところが近年、さらにその被害者をターゲットに原野商法の二次被害が出ています。
その巧妙な手口はどのようなものでしょうか。
樹木の伐採や除草を請け負う
山林や土地の所有者が遠方に住んでいることにつけ込んでお金を騙し取る手口です。
この場合の所有者は将来の値上がりを見込んで遠方に土地を買っていました。
まず詐欺業者が所有者に電話をかけます。
という話の主旨を聞いた所有者は近隣に迷惑をかけないためと自分の区画を売却するために樹木の伐採と除草を依頼してお金を払います。
もちろん代金を払っても樹木の伐採も除草も行われません。
こうした詐欺が相次いで起きています。
測量や整地費用の請求
これも遠方の山林所有者を狙った詐欺です。
所有者の山林を購入したい人がいると電話がかかってきます。
値上がりを見越して買っておいた土地に買い手がつくと聞いて所有者は喜びます。
もちろん測量も整地も行われていません。
飛び地の所有者を狙う手口
値上がりを見込んで2ヶ所以上の土地を買った人を狙った詐欺です。
かなり高額ですが、自分が高齢なのでいまのうちに所有する山林を適正に処理したいという気持ちから買い直しに応じる人がいます。
しかし、新たに買った土地は払った差額に見合う土地ではありません。
インターネットを使った詐欺
所有している山林をインターネットで広告しないかと持ちかける詐欺です。
所有者は長年買い手がつかなかった山林を処分するいいチャンスだと思って話に乗ります。
すぐに山林の写真撮影が行われ、ホームページに掲載されますが、いつまでたっても買い手はつかないままです。
詐欺業者は、投資のつもりで買った山林がいつまでも売れずにいるジレンマにつけ込んで騙します。
原野商法で山林を購入してから数十年たち、購入者もすでに高齢になっているので、自分が生きているうちに原野商法の失敗を取り返したいと焦ってまた騙されてしまいます。