山林売買

山林購入の目的と環境問題

山林購入が環境に与える影響は決して小さいものではありません。

一般的に山林は所有者が手放さない限りそのままの山林であり続けます。

それを第三者に売却すると、購入者は何らかの用途を考えて買ったわけですから、程度の差はあれ山林に手を加えることになります。

山林破壊は人間のしわざ

山林を購入する人は、個人であれば山林を造成して宅地にする人がほとんどです。

定年を迎えた人が家を新築するにあたり、地価の高い都市部を避けて山間部に土地を求めることがあります。

地目が山林になっていれば固定資産税が安いので販売価格も安いだろうと考える人が多く、不動産業者への個人の問い合わせも増えています。

鹿
山林は人が入ることで荒れていきます。

そこに住む人がたとえ1家族だけだったとしても、それだけで山林の様相が変わります。

人が住めばゴミが出るし汚水も流れます。

山の中だからいいだろうと、住居の汚物を安易に山中に遺棄してしまうからです。

それだけで環境の変化に敏感な動物はまわりからいなくなります。

こうして日本のあちこちで小さな山林破壊が進んでいるのです。

山林が産業廃棄物の捨て場に…

山林所有者の中には、住居として家を建てたい人は山林ではなく普通の宅地を買ってもらいたいと思っている人もあるようです。

山林は売りたいけど環境は変えないでほしい。

鹿
勝手なようですが、これが山林所有者の本音かもしれません。

山林の環境破壊はこれだけではありません。

産業廃棄物の捨て場として山林を買う業者もいます。

最初から購入目的を明かせば売り主も売却を渋るでしょうから目的を偽って購入します。

山林を買った業者は監督官庁の認可がおりれば産業廃棄物の捨て場として利用できます。

山林購入の環境問題は、大きいところでは水資源問題や二酸化炭素抑制対策などが挙げられますが、個人や産廃業者がからむ小規模の環境破壊も日本のあちこちで起きています。

購入者の利用目的はさまざま

林檎の花

山林の環境を考えれば、購入した人にはそのまま山林として残してほしいものですが、購入者にもそれぞれ思惑がありますから、必ずしも売却者の願いどおりにはいきません。

条件のいい山林を購入すると、購入者にとっては宝の山となることもあります。

日当たりがよくて交通の便も確保できれば、広大な山地が畑や果樹園として生まれ変わります。
一時期ブームとなった有機農法をやりたい人にとっては、他の農地と離れた場所に新たな農地を確保できれば、近隣の農地の農薬の影響を受けないですみますから、よりよい有機野菜の栽培ができます。
山林を伐採してもそこを農地に転用すれば、家を建てて人が住むのにくらべると周囲への影響が少なくてすみます。

山林を買った人がそこに何らかの手を加えることが避けられない以上、このような使われかたが、売却者がもっとも理想とする形なのかもしれません。

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