いま、世界中では森林が減少し続けています。2000年から2010年の10年間、毎年日本の国土の3分の1にあたる面積の森林が失われていきました。
その結果として砂漠化が進み、水不足や温暖化といった問題が深刻化しています。
日本は森林面積は先進国でもトップクラス
一方で、日本の森林はこの30年間でほとんど減少することなく同じ面積を保っています。
これは、先進国の中でもトップクラスの森林率です。
国土の多くを山林に覆われている日本は世界でも貴重な資源を擁しているのです。
しかしながら、日本の山林資源はじゅうぶん活用されているのでしょうか?
じゅうぶん活用されていないのなら、今後、どう活用していけばよいのでしょう?
山林は水の宝庫だけど…
日本の山林には、豊かな水資源が存在します。
世界的な水不足を背景に、日本には水ビジネスの大きな可能性があるといえます。
一方で、海外から大量のミネラルウォーターを輸入している現実もあります。
ミネラルウォーターだけでも日本は国内でじゅうぶん自給できるのではないでしょうか?
山林からは、そこに生育する樹木や他の動植物、鉱物などを収穫することもできますが、山林は水源でもあり、大気を浄化し、温暖化や水害を防ぐという働きがあります。
山林は環境や生態系にとって非常に大切な保全すべきものであるという認識が社会全体で高まっています。
そうした視点からも、また、人口が減少していく今後は、山林を切り開いて宅地開発するといった利用のしかたはありえないでしょう。
自然を楽しみながら保護
ここ数年、CSRの一環として企業が水源や山林の保護活動をしたり、公的機関や企業などが環境活動を行うボランティアに助成金を出すといったケースが多くなり、山林は着実に環境活動の場になっています。
環境意識や健康的な住環境へのニーズの高まりを背景に、別荘を建てるため、また田舎暮らしを目的に山林を買い求める個人も増えているようです。
山林の自然を楽しみながら、ほどよく手入れをしながら暮らすだけでも山林を守って行くことになるのではないでしょうか。
山林のメインプレイヤーである林業は本来、山林のライフサイクルを管理しながら、木材資源の確保を行う循環型産業です。
最近、輸入材の値上がり傾向から国産材が見直され、林業復活のきざしが見え始めたところです。
ちょうど、このタイミングで、日本では戦後植林された木々が木材として本格利用できる樹齢になってきたところです。
何十年単位での持続可能な森林経営が期待されています。