日本各地の山林では、戦後植林されたスギやヒノキが間伐・整備されないまま老齢化しています。
増えすぎたスギ・ヒノキが大量の花粉を放出し花粉症の原因となっていることはよく知られています。
伐採・間伐の必要性
これに加え、老齢化した木は二酸化炭素(CO2)を活発に吸収できなくなっており、CO2削減の観点からも問題があり、適切に伐採・間伐する必要があるのです。
また、山林の価値を考える上でも、間伐して整備することは重要です。
それにより、質の良い木材が採れるようになり、山林の価値も向上するのです。
こうしたことから、間伐は環境にも山林の価値にとっても良いことはわかるのですが、けっこう高額な費用がかかるため、仕方なく放置しているという個人の山林オーナーも少なくないようです。
山林整備のための補助制度とは
そこで、検討したいのが山林整備のための補助制度や補助金です。
国や地方自治体では、木材の活用促進やCO2の吸収源としての山林整備を目的に、間伐を行う山主の負担を軽減するための補助制度を用意しています。
林業関連への補助としては、植え付け、下刈り、間伐などの作業から木材流通や基盤整備まで幅広く用意されています。
補助の形態も、国や都道府県、市町村が単独で行う、あるいはすべてを合算できるものなど様々です。
また、一口に補助制度といっても、日本は地域により気象や地形などの条件がけっこう違ってくるため、都道府県によって補助体系や補助率に違いがあり、中には自然林でも適用されるものもあります。
補助制度を活用するには
国や自治体へ補助金の申請をするにあたっては、一定の条件を満たした上で、森林経営計画書や間伐の事前計画書などの資料を揃える必要があります。
詳しくは、都道府県の環境事務所や山林がある地元の森林組合に問い合わせてみましょう。
実際には、申請手続きは、作業(事業)の計画→申請→作業→報告といった流れになります。
作業も含めこの一連の手続きを全て個人で行うこともできますが、必要な部分を森林組合などに委託することもできます。
こうした林業関係以外にも、最近は、自治体や民間による環境関連の助成金も増えています。
水源の保全などを目的にしたものや山林の保全や整備に適用されるものあるので、一度、調べてみてはいかがでしょうか。