古くから、人間にとって森や山林は自然に親しみ、リフレッシュしたり、レクリエーションを楽しむ場でもあります。
観光資源として、スキー場やキャンプ場、別荘地、フィールドアスレチックなどに山林は古くから活用されてきました。
自然資源がたくさんある山林
近年、環境意識の高まりもあり、山林は単に木材などの資源を採取する場ではなく、保全するものという社会的な認識が広まっています。
多くの人に自然の大切さを知ってもらい、また観光事業で得られた収益を保全・保護の資金にあてることができ、循環型の活動となっているのです。
また、森林組合が温泉やキャンプ場など観光事業を行っているケースもあります。
里山に限らず、山林には水源など保護すべき自然資源がたくさんあります。
環境意識の高まりを背景にしたエコツーリズムは、自然資源を守りながら行える循環型の経済活動の1つだといえます。
注目度が高い森林セラピー
そんな中、注目されているのが森林セラピーです。
森林による健康の回復・維持への効果を「保健休養機能」といい、森林セラピーは森林の環境を総合的に利用して、心や体の健康維持・増進、病気の予防を目指すものです。
以前から、「森林浴」という言葉はありましたが、その効果については医学的なデータが少なく、客観的な根拠がそろっていませんでした。
しかし、ここ数年間で、森林浴による人の生体反応を計測し、効果を解明することが可能になってきました。
より深く森林浴を楽しむことで、リラクゼーション効果や免疫力の改善などが期待され、林野庁でも森林の保健休養機能の効果についての科学的実証を試みています。
森林セラピーは具体的には、森林の中で次のようなことを行います。
- 森林浴
- 樹木や他の資源を使った作業療法・園芸療法
- ウォーキングしながらのカウンセリングやグループワーク
- 自然や地形を利用した医療リハビリテーション
- 幼児教育
- 林産物を使ったアロマテラピー
ヨーロッパでは、温泉と森林を活用した療法が古くから行われ、特にドイツの「クナイプ療法」という自然療法は120年の歴史があり、社会保険も適用されています。
日本でも森林セラピーの場として、既に53のセラピー基地やセラピーロードが森林セラピーソサエティーにより認定されています。